ブラックバスの目は、赤に反応しやすい
こんにちは。
スマートルアー代表のbozeです。
先日、支笏湖でカヤック・フィッシングをしたのですが、朝マズメ&夕マズメのベスト(と思われる)時間帯にも関わらず、あたりすらなしのボウズ。表面水温が20℃と高すぎることとも関係しているかもしれません。美笛川は水温11℃、トラウトには悪くない水温だったのですが、こちらも反応なしでした。8~9月の支笏湖は渋いので有名らしく、釣り人もかなり少ない感じでした。
なんで釣れないのかよくわからないというのは、なかなか悩ましいです。対策が立てられないので…
さて、今回は紹介するのは、サカナの視力に関する論文です。
著者は、弊社アドバイザリーの川村軍蔵・鹿児島大学名誉教授。
直訳するとズバリ「ブラックバス(オオクチバス、Micropterus salmoides)の色覚、視力調節、視力」(です)。
実験は、体長38~43センチ、薩摩湖で捕まえたブラックバスから取り出した眼球の構造を調べたり、目の細胞(網膜)に様々な色(波長)の光をあてて、反応を調べたりするというもの。
・鮮やかな赤から濃い赤(波長640~701nm)への反応が強かった。
*光の波長については、ウィキペディアのこちらの解説が参考になります(可視光線 - Wikipedia)・目の構造などから、体長43センチのバスでは、見えている最も近い場所は13.5センチ(それより近いとよく見えない)
・細胞の密度から見て、鼻~側頭部方向の動きを感知しやすいらしい。最も細胞密度が高かったのは側頭部側だった
それでは、赤いルアーを巻き系アクションでやっていればいいのか、というと…
著者は、「実験結果は、赤いルアーがバスにとって最も魅力的であることを、必ずしも示唆しない。魅力的かどうかは、バスの行動から結論する必要がある」とわざわざ触れています。
確かに目の構造が赤に反応するようになっていても。
実際に行動するかどうかは、その信号が脳に送られて、サカナなりに判断した結果なわけで。
それに、行動だって、いきなり全力で噛み付くのか、ちょっと鼻先でつつくのか、追いかけるだけなのか、何もしないのか、逃げるのか、って分かれますよね。
あぁ、サカナの気持ち、知りたいです…
原文は無料で、以下のリンクから入手できます。
Color vision, accommodation and visual acuity in the largemouth bass
GUNZO KAWAMURA1), TOSHIHISA KISHIMOTO1) 2)
1) Faculty of Fisheries, Kagoshima University 2) Shimano Inc., Fishing Gear Planning Department
Released 2009/03/31
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fishsci1994/68/5/68_5_1041/_pdf
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